当院の治療(詳細)

当院では
施術前検査(身長計など)
・「痛みをとる
・「ゆるめる
・「体を伸ばす
施術後検査(身長計など)→施術前と比較して、治療効果を確認します。

筋力をつける
を治療のポイントにしています。

まずは痛みがでているかの確認を行い、”治りやすい身体”をつくっていきます。
つぎは側弯や痛みでこわばった筋肉、腱、靭帯を「ゆるめ」「のばし」ます。
そして最後に「筋力」をつけます。

そのために、鍼、灸、マッサージ、体操、オリジナル治療器具を使います。

○施術前後に行う検査について

当院では、①の治療前と③の治療後に検査を行います。

img_05
検査方法は、
”身長を測る”
”治療前後の背中の写真撮影”
です。

ここで、治療により身体が変わった事、効果を確認していただきます。
身体の柔らかい子は身長が治療後に3センチ以上伸びる子もいます。
写真でも変化がわかるので、驚かれる方も大勢います。

しかし、大切なのはここからです。
なにもしなければ、身体は必ずと言っていいほど元の歪んだ状態に戻ります。
戻らないようにするにはどうしたらよいか。

側弯症の治療は、実はこれが最も大変で難しいのです。
そして、重要なのです。

当院では、その子の身体にあった体操を細かく教えていきます。
体操にかかる時間は、慣れないうちは全て合わせて40分程かかる事もあります。
生活する上で、注意することや行ってはいけない事なども指導していきます。
本人が頑張る事がたくさんあります。

img_06

できるだけ、患者さんに無理なく改善させていく為に、日々、研究をおこなっていますが、本人の努力も必要です。
私はそれを全力でサポートします。

○当院の治療~①痛みを取る~

当院ではまずは痛みがでているかの確認を行います。

痛みにもいろいろあります。
側弯症で多いのは、腰痛、背部痛。
合併症としては少ないですが、
膝の痛み、首の痛み、内臓の痛み、等も側弯症に関わってきます。

装具をされている方では褥瘡や皮膚の痛みがあります。
痛みが出ている場合は、これを第一に治療します。
痛みがあると、身体はできるだけ楽な姿勢をとります。
持続する痛みの場合は、当然その姿勢も持続します。
すると、”痛みから逃げる姿勢”を身体が覚えてしまい歪みは強くなってしまうからです。

また、その痛みが側弯症からきているものなら
”これから歪みが強くなる危険信号”
の可能性があります。

こういった、痛みの治療に大きく特化しているのが鍼灸治療です。
小さな子や痛みに敏感な方には刺さない”打鍼”という治療方法もあります。
身体に先端の丸い金属の棒をあて(皮膚には刺さりません)、その上から軽くトントンと小槌で叩く治療方法です。
優しい刺激をリズムよく送ることで痛みを取ります。

また同時に適切なツボを使ってカラダの中から体質改善をし血液やリンパ液、”気の流れ”を整えます。
この治療は痛みがでていない方にも必ず行います。

痛みが装具によってでている場合(特に皮膚の症状、あせも)もあります。
この場合は、痛いだけでなく、装具を装着することができなくなることがあります。

○当院の治療~②ゆるめる~

次に筋肉、腱、靭帯を「ゆるめて」いきます。

側弯症を改善させるためには、身体を伸ばすことが必須です。
しかし、凝りかたまっている身体では充分に伸ばすことが困難です。
背骨は、24個の骨が縦に並んでいます。
骨と骨の間には椎間板があり、それがクッションの役目を果たしています。
この24個の骨を支えているのが筋肉、腱、靭帯です。

これらは、正常な身体では左右均等に働きバランスよく支えていますが、
側弯症ではこれが左右バラバラに働いてしまっています。
すると強く緊張しているほうの筋肉に骨が引っ張られてしまいます。

このままでは、歪みは強くなってもよくなることはありません。
そこで、緊張している筋肉をゆるめることを行います。

方法は、鍼灸とマッサージです。

筋肉をゆるめることに、この治療法は大きく特化しています。
患者さんによっては、ここまでで側弯症が改善することもあります。
反った弓の弦がきれて真っ直ぐになるイメージです。

鍼灸マッサージは体質改善のツボも併用し、ゆったりとゆるめていきます。

○当院の治療~③のばす(14歳40度の治療例)~

筋肉、腱、靭帯をゆるめることができたら、今度は歪みを「のばして」治していきます。

治療法を書いていく前に、
あらためて、知っておいていただきたいことがあります。

それは、”骨格は動く”ということです。背骨は筋肉、腱、靭帯で支えています。
それらがなければ、背中は誰でもぐにゃぐにゃに曲がるし、動くのです。

一見大きく歪みがでて固まってみえても、確実にゆるませて伸ばしていけば
身体は大きく変わります。

治療法は個人によって大きく変わっていきます。

では、どのように「のばす」のか。
今回は、右胸椎型の女の子の例にそって説明します。

胸椎部40度、中学2年生。
左肩が、下がっている。
右ウエストがない。
前屈の姿勢をとると、
右胸椎の隆起が目立つ。

こういった身体の場合は、まず、胸椎部の隆起をひっこめるように治療を行います。

治療法は簡単にいうと、”圧迫”するのです。無理なく、ジワジワ”圧迫”して動かしていきます。
途中、動きのわるいところは鍼灸あんま治療によって緩ませながら、圧迫していきます。

同時に弯曲がでている部分(右胸椎部)も横から圧迫し、反対側(左胸椎部)を伸ばしていきます。
そうすることで、下がっていた左肩は上がり、右のウエストもできてくるのです。
その後、さらに身体を伸ばしていきます。

下部の方から上部の方へと背骨の周り(脊柱起立筋)を圧しながら、上部へ押し伸ばしていきます。

この治療法は強く急に圧迫すると、身体は戻ろうとする力が強く働きますので、あくまでゆっくり、身体をみながら行うのです。

腰部に弯曲がでている子や、
胸椎部と腰椎部のダブルカーブの子、
首の方まで曲がっているタイプの子、
3箇所曲がっているタイプの子でも
理論は同じです。
{4箇所曲がっている子もいると聞きましたがその子でも動くと思います(4箇所の方を診たことはありません)}

当治療院では、治療前と治療後に身長も測りますので、そこで伸びるということをわかって頂けると思います。

○当院の治療~④筋力をつける~

ここからは伸びた身体をどのようにキープするか。これが課題となります。
キープするためには重力に対抗する筋力をつけるということが必要です。
その為の体操を教えていきますが、これは左右均等に行うことが重要になります。
本人は、曲がった状態が正常な状態と思い込んでいることがあります。
この状態で体操を行うと、左右にぶれながら最後まで曲がっていることに気づかずに終えてしまいます。
そうならないように左右均等にできるまで細かく注意しながら教えていきます。
筋力をつけると同時に、真っすぐとはどういう姿勢なのか、を身体に教えていくわけです。
また、個人それぞれの身体に合わせた体操も教えていきます。
背骨が歪んでいるということは、背中の筋肉に左右差があるということが考えられます。
筋肉が弱く反対側に引っ張られてしまっているような筋肉は鍛えて強くしなければなりません。間違えて覚えないように注意をしながら丁寧に教えていきます。
筋肉は鍛えてもほっておくとすぐに落ちてしまいます。
決して楽な体操ではありませんが、治療していくには必ず必要になります。
体操は基本、毎日行っていただきます。
行っていくうちに楽になっていくはずです。
その時には身体も改善していることと思います。
度数が20度ある方が体操だけで0度まで改善した例もあります。(中学生です)

img_04