装具着用での皮膚障害(あせもや褥瘡など)

装具を長時間着用するために皮膚にかゆみや痛みが出る場合があります。

この場合は、痛いだけでなく、装着することができなくなることがあります。

側弯症を改善させたい(悪化を止めたい)ために装具を着用したいがはずさなければ皮膚が治らない。つらい事です。

装具での皮膚障害は右胸椎部、または背部に多いです。
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装具でできた皮膚障害は治るのに時間がかかります。
一旦治っても、再び装具療法を開始する事で再度発症するからです。
こうならないようにするには、”予防”が第一です。

装具をつくったらまず行って頂きたいことをひとつ書いておきます。
装具を着用した際にカラダが押されていると感じる場所に柔らかいベビータオル等をあてて下さい。
(この時にベビータオルは両面テープ等で装具側に貼り付けてしまうのが良いです)
最初のうちに負担はできるだけ、軽くする事が大事です。

装具療法は夏場が大変です。
汗をたくさんかきますので頻繁にシャツを取り替えるようにしてください。
また、”シャツの縫い目”は、直接皮膚にあたると負担になりますので
表裏をひっくり返して着用して下さい。また、保冷剤も活用して下さい。

それでもあせもができてしまった場合は、皮膚科の医師に相談します。
おそらく、塗り薬を処方されると思いますが、どのような薬なのか必ず確認して下さい。

以前、みた患者さんです。
胸椎部35度、装具装着の患者さん(中学1年生)にあせもができ、皮膚科を受診したところステロイド系の薬を、処方されました。
使用していくうちに、”あせも”が全身に広がり、装具をつけられる状態ではなくなってしまいました。

3ヶ月後の検診では50度を超えていました。
”あせも”は、薬を非ステロイド系の軽いものに変えたところよくなっていきました。
現在も側弯治療を続けています。

薬は効果が高いです。
だからこそ、使うときは慎重にならないといけません。

あせもは、”汗として悪いものを出すことができずに膨れてしまった部分”です。
なんらかの理由で、発汗という新陳代謝がうまくいっていない状態です。
この状態は、普段の生活が大きく関わってきます。
また、脈やお腹にも現れてきます。
当院ではそこも含めて確認し、鍼灸治療にて全身を調整します。

当院の治療方法とは話が逸れましたが、
これからの季節、お困りになる患者さんもおられるので記事にしました。